現在、全国の学校では「GIGAスクール構想」の進展や校務システムのクラウド化など、教育現場のデジタル化(教育DX)が急速に進んでいます。
文部科学省が推進する「次世代校務DX」への移行が進む一方で、多くの自治体や学校現場では、当面の間、従来型の閉域網やオンプレミス(自庁・校内設置型)の校務システムが残るのが現実であり、現在はまさに「移行の過渡期」にあります。
このように新旧のシステムが混在する環境であっても、教職員の働き方改革や業務効率化を進めるためには、職員室だけでなく自宅や出張先からも安全に仕事ができる環境づくりが不可欠です。
しかし、教育現場が扱うデータは、成績情報や児童・生徒の個人情報など、極めて機密性の高いものばかりです。そのため、文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和7年3月)(※)」では、不正アクセスを防ぐための重要な対策として「多要素認証(MFA)」の導入が強く求められています。
※文部科学省:文部科学省教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和7年3月)
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このように安全性を高めなければならない一方で、従来型システムが残る過渡期の教育現場からは、以下のようなお悩みが聞かれています。
- 運用の壁:授業や部活動で多忙を極める教職員に、これ以上複雑なパスワード管理や認証操作を強いるのは難しい
- コスト・リソースの壁:セキュリティ強化が求められる一方、私物スマホの業務利用(BYOD)にはプライバシー面で限界があり、かといって代替機器を全教職員に配る予算も管理リソースもない
- 仕組みの壁:校務系システム、学習系システム、文科省が推進する「1人1台端末」など、システムごとにログイン方法がバラバラで現場が混乱している
つまり、多くの教育委員会では「セキュリティ強化の必要性は分かっているが、新旧の環境が混在する学校特有の運用負荷が障壁となり、対策が進まない」というジレンマに直面しているのです。
本記事では、従来型システムや閉域網の環境を残しながらも、現場に無理なく導入・運用できる現実的な認証の考え方について解説します。
なぜ教育現場で認証強化が進まないのか?過渡期特有の「3つの壁」
これまで多くの学校では、IDと固定パスワードを入力するだけでシステムにログインできていましたが、固定パスワードだけの管理には「盗まれる」「推測される」といったリスクが常につきまといます。
そういったリスクを回避することを目的に、文部科学省のガイドライン(※)では、アクセスする場所(校内・校外)を問わず、重要な校務データへアクセスする際には「多要素認証」を導入することが原則とされています。
しかし、閉域網やオンプレミスといった従来型環境が残る中で、一般的な民間企業と同じやり方で多要素認証を導入しようとすると、教育現場特有の「3つの壁」にぶつかります。
1:認証用の外部機器(持ち物)配布・管理の壁
多要素認証でよく使われる「スマートフォンのアプリ(プッシュ通知)」や「ICカード」、「物理トークン」ですが、学校現場ではプライバシー配慮の観点から私物スマホの業務利用(BYOD)を拒む教職員も少なくありません。かといって、予算の兼ね合いから全教職員分の認証用の外部機器やICカードを公費支給することも困難です。さらに、臨時雇用の講師や非常勤の先生など流動的なアカウントも多いため、紛失・故障時の代替対応を含めた教育委員会の管理・運用負荷は膨大なものとなります。
2:設置環境と利便性の壁
教職員は、職員室だけでなく、教室や特別教室、体育館など、校内のさまざまな場所へ移動して端末を操作します。また、授業中の短い休み時間に次の授業の準備をするなど、1分1秒を争うスケジュールで動いています。ログインのたびにカバンからスマホを取り出して承認コードを入力するような手間は、授業の進行や業務の妨げになってしまいます。
3:ネットワークとシステムの分断の壁
文科省のガイドライン(※)に沿って、ネットワークを「校務系」と「学習系(インターネット含む)」に分離する動きが進んでいます。しかし、これによりWindows端末へのサインイン、校務支援システム、Google WorkspaceやMicrosoft 365といった学習用クラウドなど、新旧のシステムごとに認証がバラバラになり、管理の複雑化とセキュリティのばらつきを引き起こしています。
したがって、教育委員会にいま求められているのは、「既存の従来型システムを活かした強固なセキュリティ」でありながらも、「教職員に持ち物を持たせず、業務の邪魔をしない認証基盤」であるといえます。
※文部科学省:文部科学省教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和7年3月)
課題をクリアし、文科省の基準を満たすための「2つの観点」
では、これら「過渡期特有の3つの壁」をクリアし、文科省の基準を満たすには、どのような認証の仕組みを選べばよいのでしょうか。
満たすべき条件は、大きく分けて2つあります。
条件1:物理的な認証用の外部デバイスに依存しない
スマホやトークンなどの配布・管理・紛失リスクを無くすには、すでに現場にあるパソコンやブラウザだけで完結する仕組みが必要です。
これなら、オンプレミス環境や閉域網が残っていても、追加のインフラ投資なしで導入可能です。
条件2:あらゆるシステムへの入り口となる「共通の玄関口」を設ける
オンプレミスの校務システム、Windowsへのサインイン、クラウドサービスなど、バラバラのネットワークの「手前」で認証の仕組みを一つに統合する考え方です。
システムごとにバラバラだったログイン窓口を統一し、朝の最初のログイン時に本人確認を強固に行えば、あとは各システムへ安全に自動連携(シングルサインオン)できます。これにより、運用の複雑化を防ぎながらセキュリティを底上げできます。
つまり、「既存の環境を活かしつつ、認証基盤(共通の入り口)を持ち物不要のデバイスレス方式に統一する」ことこそが、過渡期の学校現場における現実的な選択肢になると言えます。
既存の環境を変えずにこれらの要件を満たす選択肢
こうした教育現場の過渡期における要件を、まさに「デバイスレス(持ち物不要)」と「認証基盤の統一(シングルサインオン)」というアプローチで体現しているのが「PassLogic(パスロジック)」です。
PassLogicの最大の強みは、各学校や教育委員会がすでに使っている既存の情報資産(オンプレミス・閉域網の校務システム、Windows端末、学習用クラウドなど)の構成を大きく変更することなく導入が可能である点です。
新しい認証用の外部機器の購入コストや配布後の管理コストを削減しつつ、既存環境のまま文科省ガイドラインに準拠した「脱・固定パスワード」運用へ迅速に移行できます。
《 PassLogicでクリアする教育現場特有の壁 》
まとめ
教育DXの推進やクラウド活用が叫ばれる一方で、現実の学校現場にはまだ多くの従来型システムや閉域網環境が残っており、そのセキュリティ対策と運用効率化をどう両立させるかが、教育委員会にとって大きな課題となっています。
しかし、安全性を重視するあまり、先生方の負担が増えて授業に支障が出てしまっては本末転倒です。
「ガイドラインに沿った対策が必要だが、現場に負担はかけられない——」
PassLogicは、既存の端末やシステム環境を活かしながら、追加の持ち物なしで文科省基準のセキュリティを実現する、学校現場や教育委員会にとって現実的なソリューションです。
先生方の利便性を守りながら、大切な教育データを守る安心の基盤づくりを支援します。
本記事が、各自治体・教育委員会におけるセキュリティポリシーの見直しや、教育DX推進のヒントとなれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人:
パスロジ株式会社 マーケティングチーム
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