SonicWall社が提供する「SonicWall Cloud Secure Edge(以下、CSE)」と、パスロジ社の多要素認証ソリューション「PassLogic」の連携により、リモートアクセス時のセキュリティと利便性を両立する新たなソリューションが誕生しました。
CSEはクラウドベースの次世代VPNとして認証されたユーザーに対し、セキュアなリモートアクセスを提供するソリューションです。
今回は、SonicWall株式会社 ソリューションエンジニアの小田真也氏に、両製品の連携に至った背景やメリット、今後の展望について伺いました。


SonicWall株式会社

SonicWall株式会社
ソリューションエンジニア
小田真也氏
安全なリモートアクセス環境を提供する「SonicWall Cloud Secure Edge」

まずは、SonicWall Cloud Secure Edgeについて概要を教えていただけますか?

SonicWall Cloud Secure Edge(CSE)は2024年7月にリリースした、SASE(Secure Access Service Edge)ソリューションです。
クラウドを基盤に、ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)機能を備えた次世代VPNとして、セキュアなリモートアクセスを実現します。

ZTNAには高度な制御機能がありますが、その一方でコスト面の課題も耳にします。
導入や設計の際、企業側の負担は大きくなるのでしょうか。

ご指摘のとおり、ZTNAは厳格なポリシー管理が可能な反面、設計や導入には一定の準備期間と専門知識が必要です。
そこでCSEでは、もう一つの選択肢として「VPNaaS(VPN as a Service)」も提供しています。これは、従来型VPNと同様の接続方式をクラウド上で再現しつつ、さらに高いセキュリティを実現するものです。

ZTNAとVPNaaS、両方の選択肢を持てるのは大きな強みですね。

はい。最近では、従来型VPNの脆弱性が多く報告されており、多くの管理者が対応に追われています。
Cloud Secure Edgeなら、クラウド上でアクセス環境を提供するため、お客様自身での脆弱性対応が不要になります。
実際に、「従来VPNと同等の機能を維持しつつ、セキュリティ対応の負担を減らしたい」という声は非常に多く寄せられています。

特に中堅・中小企業にとって、その負担軽減は非常に大きいですよね。

おっしゃる通りです。VPNaaSは、ZTNAよりも柔軟で、従来のVPNよりもセキュアという位置づけで、中堅・中小企業のニーズに合致したアプローチだと考えています。

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なぜPassLogicだったのか?SonicWallが魅力を感じた理由

多要素認証についてはサードパーティ製の認証基盤との連携が必要と伺いましたが、その中でPassLogicを選ばれた理由は?

CSEは特定の認証基盤に依存しない設計のため、柔軟に多くの認証ソリューションと連携できます。
ただ、世の中には多種多様な認証基盤が存在し、それぞれ得意分野も異なります。
その中でPassLogicは、非常に多彩な多要素認証方式を提供しており、魅力的でした。

具体的にはどのような点に惹かれたのでしょうか?

まず、複数の認証方法から、お客様の環境に合わせた多要素認証のパターンを自由に組み合わせられる柔軟性です。
さらに、ブラウザだけで完了するマトリックス方式のワンタイムパスワードの仕組みが利用できる点もポイントになりました。
認証は、企業のセキュリティポリシーを確実に満たせる高度なセキュリティを備えながら、導入のしやすさにも優れていることが求められます。 さらに、エンドユーザーが毎日使う非常に身近な仕組みだからこそ、高い操作性も重要です。
PassLogicは、業種や企業規模を問わず、幅広いお客様にフィットする柔軟性を持っているので、多様なニーズに対応できるCSEとの親和性も非常に高いと感じました。

機能の相性も、ユーザビリティの観点も含めて「理想的な連携パートナー」だったと。

まさにその通りです。今回の連携は、ベストなパートナーシップだと確信しています。
Cloud Secure EdgeとPassLogicの連携構成イメージ
VPNaaSを通じて社内システムにアクセスする例

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ハイブリッド時代に最適なアクセス認証の姿とは

今後の展望についてもお聞かせください。今回の連携がどのように市場に広がっていくとお考えですか?

ここ10年ほどで、多くの企業がクラウドへの移行を進めてきましたが、最近ではその“最適解”が見え始めています。
つまり、クラウドにすべきものと、オンプレミスに残すべきものを適切に分けて使う“ハイブリッド構成”が定着しつつあるということです。

確かに、すべてをクラウドに移すだけでは対応できない業務も多いですよね。

はい。互換性や機密性、コスト面など、企業によって事情はさまざまです。
そうした中で、ハイブリッド環境はもはやトレンドではなく“ベストプラクティス”になっています。

その一方で、エンドユーザー側の負担が増えているとも聞きます。

その通りです。オンプレとクラウドに分かれたアプリケーションへアクセスする際、IDやパスワードを個別に記憶したり、複数のクライアントソフトを使い分けたりと、業務の煩雑さが増しているのが実情です。

その課題に対し、今回の連携はどのような解決策となりますか?

CSEとPassLogicの組み合わせにより、オンプレ・クラウドを問わず、一貫した認証ポリシーとユーザー体験を提供できます。
加えて、ZTNAやVPNaaSを活用することで、セキュリティリスクの抑制も可能です。

柔軟性・操作性・安全性、すべてのバランスが取れているという印象ですね。

ありがとうございます。今回の連携が、ハイブリッドクラウド環境に最適化されたリモートアクセス統合パッケージとして、今後多くの企業に広く受け入れられていくと確信しています。
